【書評】『時間最短化、成果最大化の法則』|成功者が行っている短時間で最大の結果を生み出す思考法

私たち人間に与えられている時間は24時間365日で平等ですし、同じ人間である以上、喋る・文章を書く・プレゼンを作るといった動作のスピードも大きく見積もっても2-3倍程度の差しかないはずです。

しかし、1人の人間が生み出す仕事の成果については、1年で数百万程度の収益の人もいれば数百億を超える売り上げを叩き出す人もいます。

なぜ同じ人間なのに、このような仕事の成果に大きな差が生まれるのか?どうすれば大きな成果を生む側の人間になることができるのか?そんな誰しもがもつ疑問に具体的な答えを提示してくれるのがこの本です。

本の中では、仕事の「時間最短化、成果最大化」するための「法則」が、すぐに日々の生活に取り入れられるレベルで具体的な方法論として全部で45個紹介されています。

ジェイゾーも本書籍にて紹介されている「法則」のいくつかを取り入れることで経営コンサルタントとしての業務にしても、日常の細々としたタスク処理にしても処理能力が大きく向上したと感じております。

45個の中には必ず皆様の生活や仕事にすぐに取り入れられるものがあるはずですので、効率化に悩める皆様はぜひ手に取ってみてください。

書籍概要

  • 書籍名:時間最短化、成果最大化の法則
  • 著者:木下 勝寿
  • 出版年月:2022年11月
  • ページ数:326ページ
  • 内容:仕事の時間最短化、成果最大化をするための思考法・方法論の紹介

ゼロから東証プライム上場企業を創り上げた敏腕社長のシリーズ第二作

本書籍の著者である木下勝寿氏は、主に北海道特産品の通信販売事業を行っている株式会社北の達人コーポレーション(現在東証プライム市場上場)をコネもツテも全くのゼロの状態から創り上げた超敏腕社長です。

同社は非常に高い利益率を誇ることから、木下氏は東洋ONLINE「市場が評価した経営者ランキング2019」でも1位に輝いておられます。

そんな木下氏は本作の前にも『売上最小化、利益最大化の法則──利益率29%経営の秘密』という本を出版されており、本作はその流れを汲んだシリーズ二作目です。

ジェイゾーは一作目の方はまだ読んでませんが、一応リンクを張っておきます。

凡人と成功者を別つのは「思考アルゴリズム」であり、本書を通じて著者の持つそれを伝授してもらえる

本書の冒頭にて、仕事で成果を上げ続けるための黄金法則として提示されるのが以下の式です。

成果 = スキル × 思考アルゴリズム

引用:木下 勝寿 著「時間最短化、成果最大化の法則」

この「思考アルゴリズム」とは著者の造語であり、いわば「考え方のクセ」のような意味合いとのこと。

この数式の内、「スキル」は新人とベテランを比べても3倍程度しか差がつかないのに対して、「思考アルゴリズム」については凡人と成功者の間では50倍もの差が生まれるため、この「思考アルゴリズム」の差こそが成功者を成功者たらしめている要因と著者は語っています。

これは冒頭でジェイゾーが例に挙げた文章を書く等の動作のスピードは2-3倍程度しか差がないはずなのに~といった内容とも符合していますよね。

北の達人ではこのような考えから、著者が創業・経営の過程で得た成功者の「思考アルゴリズム」を社内研修にて社員にも「インストール」しているとのことで、それが同社のトヨタ自動車等の名だたる企業をも上回る高い利益率に繋がっているとも著者は語っています。

本書籍の中では、その折り紙付きの「思考アルゴリズム」が以下のようなくくりで惜しげもなく披露されています。

  • すぐやる人の思考アルゴリズム
  • 必ず目標達成する人の思考アルゴリズム
  • ノーミス人間になる思考アルゴリズム
  • 自分で考え行動する人の思考アルゴリズム

さらに上記に加えて、継続的に成功者の「思考アルゴリズム」を取集・コピーする方法論として

  • 成功者の思考回路をコピーする

といったくくりでも複数の「法則」が紹介されています。

レビュー内容

本書籍がおしえてくれるのは行動力・逆算思考・成功者に学ぶことの大切さとその方法論

ジェイゾー的に特に重要に感じた本書籍のキーメッセージは以下3つです。

  • アイディアを常に行動に移し挑戦し続けることこそが、いつ来るかわからないチャンスを確実にものにするために唯一の方法である
  • 爆発的な成果のための道筋は達成したいゴールからの逆算によって得られる
  • 思考アルゴリズムを高めるための一番の近道は一流の成功者の思考に触れる続けることである

これらのキーメッセージについて説明しつつ本の内容を一部紹介していこうかと思います。

アイディアを常に行動に移し挑戦し続けることこそが、いつ来るかわからないチャンスを確実にものにするために唯一の方法である

この本の中でとりわけ強調されているのが、とにかく行動すること・挑戦し続けることの重要性です。

北の達人創業前のサラリーマン時代から仕事柄多くの経営者と著者は接点があったようですが、その頃の自身を振り返って以下のように語っています。

「仕事柄、数百人もの経営者と話をしてみたが、自分は対等に話ができる。社長といっても考えていることは自分とたいして変わらない。学べることはあまりなさそうだ」と思っていた。

だが、それはすぐに大きな勘違いだと気づいた。

(中略)~

あるとき、話す内容は同じなのに、実行に移している率がまったく違うことに気づいた。

引用:木下 勝寿 著「時間最短化、成果最大化の法則」

この言葉は私に非常に刺さりました。というのも全く同じような心当たりが私自身にもあったからです。例えば日常の業務というありふれた状況でも、「〇〇すればもっと効率化できるのにな~」とか思ったり言ったりしている人はいくらでもいますが、それを自発的に取り組んで形にするというのは一握りの人しかいない。にもかかわらずそのような人を見て、「自分も同じようなことを考えていた。だからそれは大したことではない。」とかいう考えを抱いたことがある人は少なくないのではとジェイゾーは思います。

そうです。世の中にはただアイディアを言うだけのアイディアマンはいくらでもいるのです。そんな中成功者が成功者たるのはその発想力ではなく行動力によるところが大きいのです。

このような経験から、現在著者は基本的に思いついたこと・やると決めたことはその瞬間に着手するか、どうしても出来なければスマートフォンのリマインダーに内容といつやるかを一度書き込み後で必ずそれ通りに行うようにしているそうです。

この考え方(=「思考アルゴリズム」)と対応策(=リマインダーの活用)を知ってジェイゾーもすぐに実生活に取り入れましたが、その結果日々の生産性は大きく向上しました。例えばこれまでぼや~と考えていただけの業務改善にすぐ取り組んで一定の形にすることでチームの作業効率が向上して結果的に楽に業務を進められるようになったり、私生活でもやってみたい・やった方がいいと思っていたことに忘れずに着手でき、その結果QOLが上がったりといった具合です。

本書の中ではその行動力を強化することにつながる「法則」が実に10個以上紹介されていますがその多くが、このような”刺さる”エピソードと実用的な対応策のセットで提供されているので直ぐに生活に取り入れて成果を実感できるのです。

爆発的な成果のための道筋は達成したいゴールからの逆算によって得られる

次にこの本で強調されていたのは、最終的な目的や目標から逆算して手段を考える目的逆算思考の重要性です。

この目的逆算思考に関しても「法則」にまたがって紹介・解説がなされていますが、中でもその意味を理解させてくれる象徴的なエピソードは以下の宇宙開発の寓話だと思います。

ボールペンは無重力状態ではインクがペン先まで届かず、宇宙空間ではかけない。そこでNASAの優秀な科学者が10年の歳月と120億ドルをかけ研究を重ね、無重力でも、上下逆にしても、水の中でも、氷点下でも、高温の状態でも書けるボールペンを開発した。

一方ロシア(ソ連)は鉛筆を使ったという。

引用:木下 勝寿 著「時間最短化、成果最大化の法則」

この中でいるソ連がとった方策がいわゆる目的逆算思考であり、NASAがとった方策がその対極にある原因解消思考というわけです。

この例でいれば本来の目的は「宇宙空間で文字を書くこと」であり「既存のボールペンが宇宙空間で使えない原因の解消」ではなかったはずです。しかし、原因解消思考では後者を優先した結果膨大な年月と費用を浪費してしまっているわけです。(※書籍内で実際にこれだけの開発が行われたかどうかについては諸説あると書かれており、あくまで”寓話”として理解してください。)

これはいわゆる手段が目的になってしまう的な事例で、ここまで大掛かりな物ではないにせよ大なり小なり皆さん心当たりがあるかと思います。

本書籍のなかでは、このような誤った思考に陥らないための「思考アルゴリズム」も紹介されています。

思考アルゴリズムを高めるための一番の近道は一流の成功者の思考に触れ続けることである

最後に私がキーメッセージとして取り上げたいのは、成功者の思考に継続的に触れて自身に取り入れることの重要性です。

書籍の中では「思考アルゴリズム」をデバイスのOS、具体的な手法・方法論をアプリになぞらえてこう語っています。

成功していない自分のOS(自分らしさ)の上に、成功者のアプリ(テクニック)をいくらインストールしてもうまく機能しない。

~(中略)~

私もかつて、多くの成功者からOS(考え方)をコピーさせていただいた。
そして、自分のオリジナルアプリを乗せることで、元の成功者を超えていった。
一方、私のOSをコピーし、自分のアプリを乗せて、私を超えて成功していった人もいる。

大事なことなのであえて繰り返す。

世の中の成功者はこのようにしてつくられている。

引用:木下 勝寿 著「時間最短化、成果最大化の法則」

確かに世の中には成功者の小手先のテクニックのみを真似させるようなコンテンツに多数あふれています。ただ確かにOSとアプリの例をもとに考えればそれだけでは上手く行かないのは自明ですよね。

本書ではこの成功者のOSをコピーする手段として、YoutubeやSNS等のネットメディアが紹介されています。昔であれば、成功者の思考に触れるためにはどうにかして対面での関係性を構築する必要がありました。しかし現在はネットメディアを漁れば、著名人のインタビュー動画や各種発言が大量に出てきます。著者はこれらの情報源に対して継続的な接点を持つことで、成功者の思考回路を自身の脳にコピーすることこそが、このネット全盛の時代で効率よく成功を掴むための近道だとしています。

最後に:本書は即効性のある成功者思考のインストーラー

さて、ここまで「時間最短化、成果最大化の法則」の紹介をしてきましたがいかがでしょうか。

何度も言いますが、この本の凄いところは掲載されている内容の即効性・具体性と45個の「法則」というボリュームです。本自体のページ数は300ページ少々ですし、分量もそこまで多くはありませんが、コンテンツの質を考えると圧倒的ボリュームなのです。

ジェイゾーもすぐに取り入れて効果が出るぐらいに実用的な本ですし、これだけのボリュームがあれば必ず皆様の生活や仕事にすぐに取り入れられるものがあるはずなので、気なった方はぜひ試してみてください。

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