現在コンサル会社では、クライアントからの要望等の特別な理由がない限りは基本的に在宅勤務です。ジェイゾー的には通勤の分だけ余分に時間や体力がとられないため基本的には在宅が好ましいですが、最近ひとつ悩みがあります。
それは、、、
スリッパが臭い!
ジェイゾーの足臭力はおそらく平均的なものかと思いますが、なにせ毎日在宅勤務で一日中履きっぱなしなので、同時期にスリッパを買い替えた同居人と比較してとにかく臭い!!
自分も不快ですし、同居人はもっと不快ですしなんとかならんのかと思いまして、世の中にはどんなスリッパ・室内サンダルの防臭術があるのか調べたのでそれをご紹介します。
今回世の中のスリッパ防臭術を網羅的に洗い出すにあたって、コンサル面接のケース問題風にスリッパが臭くなるという現象を構造化して考えてみています。(半分おふざけではありますが)このあたりのプロセスに関しても多少読み物的に面白くなったかな個人的には思っています。
もし内容に興味が持てましたら、ぜひ読み進めてみてください。(防臭術のみ興味がある方は各防臭術の詳細からお読みください)
サマリ
早速ですが、以下がスリッパ防臭法の一覧とジェイゾー的おススメ度です。以降でこの結論に至った経緯とそれぞれの対策の詳細をご説明します。
- 室内スリッパは比較的安価なため、臭くなったらすぐに買い替えてしまうのが効果・コスト・手間・選択肢の広さの面で総合的に最もバランスよい防臭対策である
- 個々人の事情によりスリッパをすぐ捨てることに抵抗がある場合には、別売りインソールや強力な消臭剤を使用することが次善策である
- 制汗剤の使用や足を洗うといった足そのものに対して対策を施すアプローチは、スリッパ単体ではなく履物全般に対する防臭を考えた場合に強みを発揮する
対策の洗い出し
スリッパの臭さは5つの要素により決定づけられる
今回スリッパの臭い対策を調べるにあたって、網羅的に対策を挙げられるようケース問題を解く風のアプローチをしてみました。
まず、スリッパが臭くなる際の鍵となる因子 (Key Smelly Factor : KSFとでもしましょうか)を特定するためにスリッパの臭さを因数分解する必要があります。
スリッパが臭くなるという現象は、スリッパ上に付着・繁殖した雑菌が同様に付着した汗や皮脂を分解した際にニオイの元となる物質を発生させることで起こります。このことからスリッパの臭さをスリッパに存在している雑菌の総量と定義しなおすことで因数分解したのが下の図です。
上の式からスリッパにおけるKSF (Key Smelly Factor) は以下の5つだと特定することが出来ます。
- 単位時間あたりの足汗量
- 足汗中の雑菌濃度
- 雑菌付着・繁殖率
- スリッパ装着時間
- スリッパから除去された雑菌の総量
スリッパ防臭・消臭術は大きく10の方法に分けられる
この5つのKSFを各々どう減らす or 増やすかを洗い出したのが以下の図です。
まず足汗量を減らす方法として、そもそもの体質を改善する、通気性の良い素材のスリッパを使う、制汗剤を足に使用するという方法があげられます。
次に足汗中の雑菌濃度を減らす方法としては、これも体質を改善するという方法に加えて、足や足の爪等を良く洗って清潔に保つことが挙げられます。
次に雑菌の付着・繁殖率を防止する方法としては靴下やストッキングをはいて物理的な壁を作る方法と、薬品を塗ったり抗菌素材のスリッパを使うことで雑菌の繁殖を生物・科学的に防止する方法があります。
スリッパの装着時間を減らす方法としては、そのままスリッパの代わりとなる何か(例えば靴下)等で我慢するといった方法が挙げられます。
最後に雑菌の除去量を増やす方法としては、洗濯やインソールの交換、買い替えを行うことで物理的に雑菌を除去する方法と除菌剤・消臭剤を用いて殺菌・除菌を行う方法があります。
これらを再度まとめ直すと図の右側に書いてある10の対策(防臭術)にまとまります
各防臭術の詳細
さて、ここまでで網羅的にスリッパの防臭方法を挙げることが出来たので、それぞれ具体的にどうすればよいのか見ていきましょう。
なお、上記の10のアプローチの中には「体質改善」も含まれております。これは多汗症という手足や脇等に汗を特別多量に書いてしまう症状をお持ちの方は医療による体質改善も望めるかもしれないといったものです。しかし、私は医療領域には詳しくないので本記事ではこのアプローチについては扱わないことにします。
制汗剤を使用する
まずは制汗剤を使用することで足汗量を減らすアプローチです。
やはり足・靴・スリッパが臭いという悩みをお持ちの方は多いようで、どうやら足用の制汗剤が出回っているようです。その中でもよさそうなものを3つほど見繕ってみました。
これらに共通しているのは後で解説する「除菌・消臭」のアプローチも兼ねていること。どの商品も殺菌のための有効成分だったり消臭のための香料も含まれているようです。
ただ、当然この手のクリーム等はある程度体質によって合う合わないがあると思うので、お肌が弱かったりする人はこのアプローチはあまりよくないかもしれません。
効果重視なら「ウィルクレンズ 足消臭クリーム」
こちらは若干値は張りますが (1本2000円前後で30-60日程度使える模様)、アマゾンの口コミを見る限りでも効果は上々のようです。
コスパ重視なら薬局系ブランド
一方で、メンズビオレ・ライオンも足用制汗剤を出しているようです。こちらはお値段は控えめですが、効果に関する口コミもある程度ばらつきがある印象です。
足を良く洗う・清潔に保つ
次のアプローチは「足を良く洗う」です。
いやいや、当然足ぐらい毎日洗ってますよ!
とお思いの方もいらっしゃるかもしれませんが、この「足を良く洗う」というアプローチに関しても世の中にはいくつかの便利グッズが出ています。
専用ソープにより徹底的に除菌・殺菌
制汗剤同様に足専用のソープが販売されています。有名どころと指定は以下の二つでしょうか。
1つ目は制汗剤の項目でも紹介したウィルクレンズシリーズです。こちらは殺菌・消臭効果は当然のこと、洗い心地や保湿力といった使用感に対しても好意的な口コミが見られました。
2つ目は市販の水虫治療薬としても人気なブテナロックシリーズの足用ソープです。こちらは1つ目のウィルクレンズよりも大分リーズナブルですが、口コミによると100回程度使える上に効果も上々とのこと。
実はこちら、私の通うトレーニングジムに併設のお風呂にて試供品として置いてありまして私も何度か使用したことがあります。使用した感想としては、まず洗い終わった際の爽快感は普通のボディソープとは段違いでした。実際の消臭効果としては、こちらの効能のみによるものかは定かではありませんが、確かにこれがジムにおいてあって使っていた頃はスリッパの臭いを同居人に指摘されることもありませんでした。
専用ブラシにより効率的に汚れを除去
「足を良く洗う」アプローチの中で専用ソープと双璧を成すのが専用ブラシです。
足専用ブラシには立ちながら足裏全面を洗えるマットタイプとコンパクトなブラシタイプがあるみたいです。どちらも気持ちよさそうですが、ジェイゾー的にはマットタイプの方が立ちながら洗えるので使いやすそうかなと思います。因みにこちらのマットには裏面の吸盤とフック穴もついているので、お風呂場の床に置きっぱなしということにはならない様です。
また足裏や指の間だけでなく足の爪も雑菌の巣窟となりやすい部位になります。したがって足の爪をこまめに切ったり、清潔に保つのも広い意味での「足を良く洗う」アプローチに含まれると言えるでしょう。
靴下を履く
足汗や皮脂を直接スリッパに付着させないといういみで靴下を履くというアプローチは一定効果的です。
ただ、
「靴下なんていつも履いてるよ!」
「スリッパは裸足で履きたいんだ!」
なんてご意見もあるかと思いますし、私もスリッパは裸足で履く派です。ですのでこのアプローチは個人的にはそこまでオススメではありませんが、一応防臭効果の高い靴下を見つけたのでこれもリンクを張っておきます。
スリッパを除菌・消臭する
次のアプローチはスリッパの除菌・消臭です。
正直なことを言いますと、今回の調査を行うまでは個人的にはこのアプローチに対しては懐疑的でした。というのも、靴の臭い消しスプレー等をスリッパや靴に使用したことはありますが、一瞬ある程度は臭いは改善されるものの結局数時間適度の一時しのぎにしかならなかったためです。
これではランニングコストもかさみますし、何より結局スリッパは臭いままです。
しかし、そんな私にとってもこれは試してみてもいいかも?という消臭剤が見つかりました。それがグランズレメディです!
この消臭剤の特徴はよくあるスプレーや霧吹きタイプのモノではなく、粉であるということ。粉であれば殺菌・消臭成分の濃度が濃い(というより100%)ですので、それを水等で薄めたスプレー・霧吹きタイプのモノよりもよく効くのは納得がいきます。
アマゾンのレビューや各ブログでの使用報告を見てみてもその消臭効果に対して非常に高い評価を得ているようで、1週間程度使い続けるとその後半年近くは何もしなくても臭わなくなるようです。
ここまで効果が強いとなると何か変な物でも入っているんじゃないか?と思わなくもないですが、全て天然由来の原料から作られているようですので、その点も安心です。
また気になるのは粉ゆえに特にスリッパに使用した際の使用感ですが、粉を振った際に手である程度なじませれて余分な分を払えば粉が飛び散るということもないようです。(下記リンク先の他ブログで実際に試されている方がいらっしゃいます)
また、市販の除菌・消臭剤の性能に納得がいかない場合には重曹やミョウバン、セスキ炭酸ソーダを水に溶かして自作する方法もあるようです。これであればある程度薬剤の量を自分で調節できますし、納得いく効果を得られるかもしれません。(下記リンク先のサイトにて細かく解説されています。)
雑菌の繁殖を防ぐ素材のスリッパを選ぶ
次のアプローチは雑菌の繁殖を防ぐ素材のスリッパを選ぶことです。具体的には通気性が良かったり抗菌素材が使われているスリッパがあるので、これらを選ぶということです。
このアプローチの最大のデメリットは選べるスリッパの種類が限られてしまうということ。例えばクッション性や履き心地、見た目の可愛さからボア付きのスリッパにしたいと思ってもそれは叶いません。
また、如何に通気性が良かったり抗菌素材が使われていたりしてもある程度は臭くなってしまうのでは?と思ってしまう部分もあります。
そういった意味で、「スリッパ防臭術」という意味ではあまりオススメではないかな?というのが個人的な見解です。
スリッパの代わりとなる別のものを使う
次のアプローチはスリッパの代わりとなるものを使うということ。スリッパが臭くなるのが嫌だったらそもそもスリッパを履かなければ良いというとんちみたいなアプローチですね。
例えばクッション性を求めているなら厚手の靴下を履く、冬場の保温性を求めているなら床暖を使う等が具体的なアプローチとなります。
ケース問題の回答としてはある種問題の根本に切り込むアプローチなのでまあ面白くはあるとも思うのですが、今回はあくまで「スリッパ防臭術」の紹介がテーマですので、こちらも今回は不適となるでしょう。
スリッパを洗濯する
次のアプローチはスリッパの洗濯です。通常の室内スリッパは底面の芯に厚紙を使用しているので洗うことはできませんが、世の中には洗えるスリッパというのも売られています。
このようなスリッパを使えば繰り返し選択することで防臭をすることができます。ただし、このアプローチも雑菌の繁殖を防ぐ素材のスリッパを使うのと同様にスリッパの選択肢が狭まるのが難点です。
一方でオキシクリーンのような強力な洗剤を使用できるというメリットもあります。
洗えるスリッパであっても、型崩れさせないためにはある程度コツがあるようです。その方法に関しても、除菌の項目で紹介した下記リンク先のサイトにて解説されています。
インソールを交換・洗濯する
次のアプローチはスリッパのインソール交換です。実際に足に触れて汗や皮脂・雑菌が付着するのはインソールだけなので使い捨てもしくは洗い替え可能なインソールを使えばよいのでは?というのがこのアプローチです。
ここで、洗濯する場合はスリッパ自体を洗濯するのと一緒なのでは?と思われた方もおられるかもしません。
しかし、インソールだけを洗濯できることはスリッパ自体を洗濯するのと比べて以下の点でメリットがあります。
- スリッパの床に触れている面は床の汚れやごみが付着してかなり汚いため通常洗濯機に入れる前に手洗いが必要だが、インソールのみの場合不要
- スリッパ本体の劣化・型崩れを抑えられる
このインソール交換・洗濯アプローチには具体的には以下の2つの方法があります。
インソール着脱可能なスリッパを使う
この方法は選択できるスリッパの種類がかなり限られる分、インソールのフィット感は担保される点がメリットになります。
例えば以下の商品なんかは、インソール自体を個別で安価に買い直すことが可能で布・麻・ムートンと質感のバリエーションもあります。
因みにこの記事の趣旨からは外れますが、この商品の最大のセールスポイントは歩くだけで床の掃除ができる点です。そういった便利機能にも魅了を感じる場合には購入を検討していただいてもいいかもしれません。(モップ代わりになる底面も着脱・交換可能なようです)
また、以下の商品はインソール部分が布面と麻面のリバーシブルになっていて気温や気分に応じて使い分けることができます。また、底面は滑り止め付きなので掃除機能はいらないけど滑らないスリッパがいいという方にはこちらが良いかもしれません。
(※注:こちらの商品はインソールのみの販売は行っていなさそうです)
洗濯可能もしくは使い捨てのインソールを取り付ける
この方法のメリットは何といってもスリッパを自由に選べる点。一方で専用インソールのものと比べるとフィット感は劣るかもしれません。
以下の商品は洗濯機での洗濯が可能なインソールになります。靴用とありますが、スリッパ・ルームシューズに使用しても快適という口コミもあります。
以下の商品は完全な使い捨てのインソールです。公共施設や他所のオフィスに訪れたときにスリッパについてたりするやつですね。
臭くなったら買い替える
最後のアプローチは説明するまでもないですが臭くなったらすぐに買い替えるです。コストは最も発生する分、防臭効果・スリッパ選択肢・簡単さという意味では断トツだと思います。
防臭術の評価
各防臭術を評価するにあたってジェイゾーが用意した評価軸は以下の4つです。
- 効果:防臭・消臭効果の大きさ。
(大:完全防臭、中:確実に一定の効果有り、小:体質等によっては効果は限定的な可能性有り) - 防臭・消臭コスト:防臭・消臭のために定期的に発生する費用
(買い替え以外の場合本体費用は除く) - 防臭・消臭の手間:防臭・消臭のために発生する手間
- スリッパの選択肢制限:自由にスリッパを洗濯可能かどうか
(無:どんなスリッパでも適用可能、有:特定の機能等を持つスリッパを選ぶ必要有り)
因みにジェイゾー的各軸の重要度は効果 > 手間 = 制限 > コストといった感じです。
これを元に各防臭術を評価した結果が冒頭にも掲載した以下のテーブルになります。
因みに、以下の3つの防臭術は次のような理由からランク外とさせていただきました
- スリッパ代替利用:スリッパを履かないことになり、本記事の趣旨から外れるため
- 靴下を履く:効果の程が非常に限定的であるため
- 体質改善:ジェイゾーに専門的知識がなく、また万人にお勧めするべき内容でもないため
結果として、確実に効果が得られ、かつ防臭・消臭の手間やスリッパ選択の制限がない買い替えアプローチが最もオススメという形になってしまいました。
というのも室内用スリッパは一部の例外を除き比較的安価であり、買い替えアプローチの最大の欠点であるコスト面にて、他のスリッパを長期利用するアプローチと比較してもそこまで致命的な差を生まないためです。
しかし、場合によっては高価であったり特別な思い入れのあるスリッパを使用されていたり、SDGs的観点からすぐにスリッパを捨ててしまうのに抵抗がある方もいらっしゃるかと思います。
そのような方には、別売りの洗濯可能もしくは使い捨てのインソールか強力な消臭剤を購入して使って頂くのが次善策かなと思います。
制汗剤や足を洗うアプローチはスリッパ単体を見た場合には費用対効果という意味であまり魅力的ではありません。しかしこれらのアプローチは足そのものに対して対策を施すため、スリッパだけでなく他の履物全てにも同時に効果が発生するという大きな強みがあります。
まとめ
これまでの検討結果をまとめるとスリッパの防臭術に関しては次のようなことが言えるでしょう。
- 室内スリッパは比較的安価なため、臭くなったらすぐに買い替えてしまうのが効果・コスト・手間・選択肢の広さの面で総合的に最もバランスよい防臭対策である
- 個々人の事情によりスリッパをすぐ捨てることに抵抗がある場合には、別売りインソールや強力な消臭剤を使用することが次善策である
- 制汗剤の使用や足を洗うといった足そのものに対して対策を施すアプローチは、スリッパ単体ではなく履物全般に対する防臭を考えた場合に強みを発揮する
なお、ここまで個別に各防臭術の解説と評価を行ってきましたが、当然これらの対策はどれか一つしか選べないというわけではありません。むしろ複数の対策の組み合わせを検討できるところにこのように網羅的に検討した意味があります。
この記事を参考にして、ぜひ皆さんの趣向やライフスタイルにあったベストなスリッパ防臭術の組み合わせを考えてみてください!